「魔法の呪文は ガン・マビ・レーテ」オマージュ元

「ダァクシャドウのこもりうた」

デビルマン」(東映動画、1972年放送)のエンディングテーマ「今日もどこかでデビルマン」。
 タイトルの「こもりうた」は、「あしたのジョー」(虫プロ、1970年放送)の前期エンディングテーマ「ジョーの子守唄」からか。

日付テロップ

本演目脚本家・會川昇氏が原作・脚本を手掛けた「コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜」(ボンズ、2015年放送)でも用いられた演出。
(参考:「コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜」第1話1:00~https://youtu.be/72I18BAT_xw?t=60
同作は、作品内の時間経過と放送順が意図的に入れ替えられており、時代背景を示す記号として表されている。

時代のレイヤー構造

本演目脚本家・會川昇氏が脚本を手掛けた「UN-GO(アンゴ)」(ボンズ、2011年放送)を例に取る。
UN-GO」は、文豪・坂口安吾の小説「明治開化 安吾捕物帖」を原案としている。
「明治開化 安吾捕物帖」は明治初期を舞台としているが、執筆された昭和20~30年代の世相を反映した内容となっている。
また「UN-GO」も、時代設定を近未来(放送年の2011年から10~20年ほど未来)に移した上で、現実社会(2011年当時)の時事とリンクさせるといった手法を取っている。
よって、原案を含む作品内において「明治初期」、「戦後昭和」、「平成」、「令和」の4つの時代を多重構造で構築していることになる(制作当時は「令和」はあくまで「近未来」でしかないが)。

「秘密の魔法じゅもん」

東映魔女っ子シリーズ第5作「魔法使いチャッピー」(東映動画、1972年放送)。
本演目の舞台と同じ1972年4月~12月に放送されている。

西東動画

東映動画(現・東映アニメーション)。
本演目全体のオマージュ元(東映動画、および同社作品の「魔法使いチャッピー」、「デビルマン」)。
本演目の舞台と同じ1972年は4月から「魔法使いチャッピー」、7月から「デビルマン」が放送された。

「西東動画は今、ロックアウト中なんだ」

東映動画が従業員の約半数(170名)に人員削減の合理化に行ったことに対し、労働組合が1972年に18名の解雇撤回に向けて起こした裁判闘争を皮切りに1972年8月3日よりロックアウトが始まり、制作中の「デビルマン」等は内製から外注(下請け)制作に回される。
ロックアウトは同年12月まで続き、それまでに100名あまりの退職者を出す。
(参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「事例報告『東映動画労組の歴史と労働者としての権利』」 https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20201215/houkoku/04_jirei2.html
(参考:WEBアニメスタイル「アニメーション思い出がたり[五味洋子]『その42 労働争議の中で』」 http://www.style.fm/as/05_column/gomi/gomi42.shtml

「ダァクシャドウ」 

デビルマン」(東映動画、1972年放送)。
永井豪の「魔王ダンテ」(「週刊ぼくらのマガジン」1971年連載)を発展させ、基本設定を同一とした漫画とアニメの2つの企画が進められた。
(「コミックからのアニメ化」や「アニメのコミカライズ」という関係ではなく、同時進行の企画のため漫画版≠原作)
アニメ版は低年齢層向けの勧善懲悪なヒーローものの体裁だが、「ダァクシャドウ」は1972年から「週刊少年マガジン』に掲載された漫画版のストーリーをモチーフとしている。

「仮面バイカー」

特撮テレビドラマ「仮面ライダー」(東映、1971年放送)。
敵組織である「ショッカー」の戦闘員が発する掛け声が「イーッ!」である。

【用語集】

学生運動

学生による、「社会状況の改善」、「社会政策の推進・阻止」などの希望を実現するために同志を募り団結して、世論や政府にアピールする行動。

安保闘争

日米安全保障条約(安保条約)に反対する国会議員、労働者、学生らが参加した反政府運動およびそれに伴う大規模デモ運動。
60年安保闘争では安保条約は国会での強行採決されたが、混乱の責任を取る形で時の岸内閣は総辞職を余儀なくされた。
対し10年間の期限満了に伴う自動延長に反対する70年安保闘争では、参加者の内部分裂(内ゲバ)が激化し、大衆の支持を得られず鎮静化していく。

80年安保

作家・橋本治、コラムニスト・中森明夫らが、1980年代初頭の若者文化(サブカルチャー)を1960年代、1970年代の反体制運動、安保闘争に準えて名付けたもの。

内ゲバ

「内部ゲバルト」の略。ドイツ語のゲバルト(Gewalt:威力・暴力)から、同一陣営内での暴力を使用した抗争を指す。

奮龍

第二次世界大戦中に大日本帝国海軍が開発していた、誘導装置を備えた地対空ミサイル。
誘導装置の予備実験として「特型噴進弾二型」(奮龍二型)を作成後、実用化に向けて「特型噴進弾四型」(奮龍四型)の試作を進めていたが、1945年8月15日の終戦には間に合わず、開発は中止となり資料は焼却処分された。
「日本のテレビの父」と呼ばれる高柳健次郎が誘導装置の研究開発に携わっており、超短波(VHF)技術が後のテレビ実用化へ繋がっている。

ブラウン管による電送・受像

高柳健次郎(たかやなぎ けんじろう、1899年1月20日 - 1990年7月23日)が、1926年12月25日に世界で初めてブラウン管による電送・受像に成功した。
送受像には、いろは順で最初の「イ」の文字を選んだとされる。

しらけ世代

広義に1950年代から1960年代前半生まれの人を指し、1960年代の学生運動が沈静化した後の政治的に無関心な世代。
何事にも熱くなり切れず、興が醒めた、傍観者のような振る舞いをする様を「しらけ」としている。
また同年代で「真面目な行いが格好悪い」という感性を持つ若者を指して「ノンポリ世代」と呼ぶこともある。

さとり世代

一般的に1987年から2004年生まれの人を指し「欲がない」、「夢や希望を持たない」、「現在の安定を求める」が特徴と言われている世代。