Kiramune Presents READING LIVE「密室の中の亡霊 幻視探偵」小ネタ

キャラクターのネーミング

READING LIVE2018「カラーズ」の登場人物は、そのタイトルの通り苗字に色が含まれている。

柳スグル
ユウイチ
金崎シンイチ
井ゴロウ
部イワオ
シラサワ

翌年(初演)もREADING LIVE2019「密室の中の亡霊 幻視探偵」にも、命名に規則性がある。

三条虚:数字の「0(霊⇒零)」
浅野宗:頭文字「あ(さの)」+数字の「1」
鹿島正:頭文字「か(しま)」+数字の「2(次)」
笹木郎:頭文字「さ(さき)」+数字の「3」
田辺清:頭文字「た(なべ)」
中村平助:頭文字「な(かむら)」

※苗字の頭文字があ弾(母音が「あ」の五十音順)の4番目が田辺清(4=シ=死?…というよりは1~3に次ぐ4番目の容疑者という匂わせ)
※清(きよし)と博(ひろし、三条虚霊の長男)は3文字とも子音が一致(同一人物説の緩やかな公定)
※名前の頭文字(「き」と「ひ」)は、い弾(母音が「い」の五十音順)で4つ離れている(き→し→ち→に→ひ)

ロウソクの火が消えるトリック

脚本の相沢沙呼先生は「奇術愛好家」を自称することからも分かるように、マジックを嗜んでいる。
作品内で三条虚霊が用いた「ロウソクの火を自動的に消す」トリックを摂理が「マジックみたい」と評したのもこのため。

「幻視探偵」の能力

作中で「(超能力のようなものかという問いに対し)違います」と食い気味に答えたように、暁玄十郎の「幻視」というのはあくまで「関係者の証言や物証から事件の実像に近付ける能力が異常に高い」だけで、オカルティックな超能力ではない、というのが語られている。
犯人を含む登場人物の思考や行動原理を推測し、何十、何百通りの再現(シミュレート)する中で最適化されたより真実らしい結果を「幻視」と呼んでいる。
(ただし、摂理曰く「(幻視能力の一環で)相手の思考を理解しているつもりでいるが、相手の気持ちに立ててはいない」)
そんな、犯人が仕掛ける「超常現象」、「霊能力」に見える事象にも、必ず科学的に証明可能なトリックが存在する、という言ってみれば「どんと来い、超常現象」な暁玄十郎の基本思考があるにも関わらず、目の前のいる斗真摂理の自称・亡霊を説明することができなくて、"幻覚"と言い聞かせているアンバランスさが作品の魅力の一つである。
脚本・相沢沙呼の代表作「medium 霊媒探偵城塚翡翠」における、「霊媒」をストーリー前半の推進に使用しつつ、結末では…という流れにも似ている。

神谷浩史演じる暁玄十郎を観るとき、「文豪ストレイドッグス」の江戸川乱歩(CV.神谷浩史)を思い起こさずにはいられない。
主たる登場人物のほとんどが異能力者(作中での超能力者)で占められる中、江戸川乱歩は「超推理」の異能力者を自称しつもも、(基本的には)異能力を持たない一般人である(異能力を彷彿とさせる推理力は、本人の人並外れて優秀な頭脳で事件を解決に導いていた)。

斗真摂理のことを、三条透には"視えていない"、観客には"視えている"
斗真摂理が"視えている"メタ視点

暁「心霊と魔術の立証だ」
摂理「心霊と魔術を…どうやって?」
暁「観客に幽霊を視せてしまえばいいのだから」

三条虚霊が3人の弟子を観客(証言者)にして、心霊(三条雪の亡霊)と魔術(交霊の儀式)を立証するためにトリックを仕掛ける。
そしてこの朗読劇自体も、"信頼できない語り手"暁玄十郎により「観客に幽霊="斗真摂理"を視せている」というメタ視点。

劇中の時間を少し遡り…

暁「君のせいだぞ斗真摂理!」
摂理「僕のせいだって!?」
暁「そうだ!君のせいで私は『幽霊が存在するかもしれない』と当たり前のように当たり前のように受け入れてしまっていた!」

観客には、摂理が

「こんな事件、普段の私ならものの数秒で解けていたはずだ」は大袈裟ではない

暁「こんな事件、普段の私ならものの数秒で解けていたはずだ」

暁本来の尊大な物言いを表す台詞に見えるが、実際、本調子の暁玄十郎であればもっと早く真実にたどり着けたと思わせる描写がある。

透「私には、心霊や魔術といったものを信じる気持ちは、どうにも理解できません」
透「けれど、人間がそれにすがりたくなってしまう状況というのは、解らないでもないのです」
透「それはきっと、人の心の弱さから来るのでしょう」
透「私も、大切な人を失ったら、その人の幽霊に逢いたくなるのかもしれない」
暁「幽霊ですか。そんなものの存在は全くもって非論理的です」
透「やはり、暁先生は信じていらっしゃらない?」

作中の時系列
1909年頃 明治42年 三条虚霊が心霊研究に傾倒する。 明治末の"千里眼事件"前後
1919年頃 大正8年 黒書館殺人事件で三条虚霊が殺される。 2019年からおよそ100年前
1926年頃 (昭和元年) 田辺清が手記を発表。 アクロイド殺し」(1926年発表)より後年
2009年 (平成21年) 斗真摂理が冤罪で捕まりそうになるところを暁玄十郎に助けられる。 「10年前に~」
摂理、暁の助手になる。 「10年だ。今年で10年になる。」
2018年 (平成30年) 斗真摂理が凶弾に倒れる(?)。暁玄十郎が肩を負傷し療養に入る。 "1年後、令和元年"
2019年 (令和元年) 三条透が暁探偵事務所を訪れ、暁玄十郎に調査を依頼。 (同上)
笹嘉神島(離島)で殺人事件が発生、暁玄十郎に調査が依頼される。 『密室の中の亡霊』エンディング

Kiramune Presents READING LIVE「密室の中の亡霊 幻視探偵」用語集

幻視

「対象なき知覚」である幻覚(幻聴、幻味、幻臭、体感幻覚など)のうち、視覚を対象とした「実際には存在していないものが見えてしまう」もの。
医学的にはレビー小体型認知症で見られる特徴的な症状だが、本作の「幻視」は、主人公の一人である暁玄十郎が「証言や物証など、集積した情報から犯人を含む関係者の思考心理・行動を、可能な限り矛盾を少なくシミュレートすること」を「テレビ番組の再現映像のように(劇中の斗真摂理が発した表現)」知覚することを示す。

密室の中の亡霊(マボロシ

本作のサブタイトルで、ダブルミーニングを含んでいる。
1点目は作中事件の「黒書館殺人事件」における、交霊室に現れた三条雪の亡霊。真実は(暁玄十郎のに幻視に寄れば)、書斎に潜んでいた田辺清が雪に扮装し、参集した三条虚霊の3人の弟子を目撃者に仕立てるためにでっち上げたもの。
2点目は、暁玄十郎の脳内という密室だけに潜む亡霊の斗真摂理を「マボロシ」と称したもの。

信頼できない語り手(Unreliable narrator)

小説、映画などで、読者の先入観を利用した仕掛け(叙述トリック)の一種。
物語の語り手の信頼性を落とすことで、受け手が知り得る情報を制限し、ミスリードを誘発する手法。
アメリカの文芸評論家、ウェイン・ブース(Wayne C. Booth)の著書「フィクションの修辞学(The Rhetoric of Fiction)」で紹介されたのが初出とされる。
本作は、「黒書館殺人事件」の手記を記した田辺清が、自身が犯人であることを伏せ、犯人しか知り得ない視点での供述を除いた形式を「幻視」という劇中劇で表現している点と、本作の語り手である暁弦十郎が、助手の斗真摂理が実在しないことを明言しない「暁玄十郎もまた信頼できない語り手」で物語が進むという点の、二重構造になっている。

アガサ・クリスティの例の作品

ミステリーの女王、イギリスの推理作家アガサ・メアリ・クラリッサ・クリスティ(Dame Agatha Mary Clarissa Christie)(1890 - 1976)が1926年に発表した長編推理小説アクロイド殺し(The Murder of Roger Ackroyd)」のこと。
クリスティの6作目、名探偵エルキュール・ポアロシリーズの第3作で、ポアロの隣人で医師であるジェイムズ・シェパードの手記という形を取るが、実は「語り手であるシェパードが犯人」という叙述トリックを用いた作品。
ミステリにおける「信頼できない語り手」が一般的ではなかった1920年代においてインパクトが大きかった作品であり、「フェア・アンフェア論争」を巻き起こすほどであったが、現在でもミステリ史上に残る古典的名作と称される。
本作では、書生である田辺清が「アクロイド殺し」に触発されて、自身の手記として「黒書館殺人事件」を事件の数年後に残したとされている。

屍食教典儀((仏)Cultes des Goules、(英)Cults of the Ghouls)

クトゥルフ神話に登場する架空の書物(魔道書)。
フランス国内の、人肉嗜食や屍姦行為などを行う邪教について記述されている(とされる)。

山田浅右衛門(やまだ あさえもん)

江戸時代の御様御用(刀剣の試し斬り役)および死刑執行人である、山田家の当主代々の名乗り。「首切り浅右衛門」、「人斬り浅右衛門」とも呼ばれる。
人間の肝臓や脳、胆嚢、胆汁などを原料とし、労咳に効くとされる丸薬を「人胆丸」の名で販売していたとされる。

福来友吉(ふくらい ともきち)(1869 - 1952)

日本の心理学者。1908年東京帝国大学助教授。念写の発見者とされる。
御船千鶴子、長尾郁子らの千里眼・念写の能力の立証のためジャーナリストらを集めた公開実験などを試みたが、試験物のすり替えなど真偽を出せない状態が続いた。
1914年に出版した「透視と念写」の内容について、東京帝国大学学長・上田萬年から「内容的に好ましくない」と批判されるも「透視、念写は事実である」と強弁したことで、東京帝国大学を追放(公的には休職からの辞職)となり、彼が取り上げた人物と共に「イカサマ」「偽科学者」などの攻撃を受けることとなった。
その後は科学的な公開実験は行わず、オカルティズムへ傾向していくこととなる。

御船千鶴子(みふね ちづこ)(1886 - 1911)

1909年、23歳の時に「千里眼」能力の持ち主として注目される。
福来友吉らにより、1910年から透視実験や通信実験などを通して能力の研究がされたが、科学的に厳密な立証することはできず、世の非難の的となったことも起因し、1911年に服毒自殺により死亡。
小説「リング」鈴木光司著)に登場する超能力者・山村貞子の母親・山村志津子のモデルでもある。

Kiramune Presents READING LIVE「天穹のラビアス」感想

「天穹のラビアス」とは何だったのか

「天穹のラビアス」とは、「神殺し」の物語である。
洋の東西を問わず、神話には付き物の「神殺し」。
劇中で「ガイア」と呼ばれている、自意識を持った知的生命体である地球そのものをラスボスに据えるこの物語は、母なる大地に抗う人類の儚いレジスタンスである*1

「天穹のラビアス」の作品作りとは

暴論だが、「天穹のラビアス」は「蒼穹のファフナー」を換骨奪胎、再構築した物語である。
未知なるものの声、敵との同化、対抗組織の動向…そもそもタイトルがオマージュなのではないだろうか。
しかしてその実態は、「敵の正体と原理が解明されていない味方側のエネルギー源が、実は同一のものだった」、「最強のワンオフ機と唯一適合する少年」、「冷静沈着・効率第一のオペレーターにも情に熱い一面があった」、「非情な司令官が、実は若い頃はパイロットだった」、「かつて敵対していたメンバーが最終決戦に合流」などなど、「天穹のラビアス」全般として、所謂「ロボットもの」と呼ばれるジャンルの「よくある展開」をコラージュした作品である。
アフターガンダム(「機動戦士ガンダム」(1979年)以降)のロボット作品、所謂「リアルロボットもの」に慣れ親しんだ人には、目くばせどころか終始ウインクしてくる勢いの作品とも言える。
そんな中、普通なら少年兵(本作の「未来」や「星螺」*2)を主人公に据えがちなロボットものにおいて、彼らを送り出す整備兵の目線から物語を紡ぐ、というのが今作の独自性であり、ストーリーそのものはストレート(よく言えば王道、悪く言えばベタ)、パンフレットのインタビューではそれを「中二病」と称しているのだと思われる。
良い悪いではなく、この企画をそのままアニメ作品として世に出せるかと問われれば難しいだろうし、正に「リーディングライブならではの、大人が本気で遊んだ作品」と言えるのではないだろうか。
補足として、ゼーベック虫およびゼーベック・セルによるエネルギー問題の解消周辺の設定は、OVAシリーズ「ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日」(1992年)の影響が色濃く出ていると個人的に思う(パンフレットに明記は無いため、真偽は不明)。

「天穹のラビアス」の構成とは

「天穹のラビアス」は二部構成の作品である。
劇中でも2年の時間経過があるが、「射弦八雲」がノアールとの会敵により消息不明になるまでの第一部と、「日野未来」、「住良木星螺」の2人の候補生が物語の中心となる第二部である。
テレビシリーズに例えるなら、前半2クール24話で第一部、後半2クール24話で第二部といったところか。
後の展開を知った後では、「八雲」の特攻とノアールとしての再登場に、「劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-」(2010年)の特攻から「ガンダム00 Festiva 10 "Re:vison"」(2018年)でELSとして再登場したグラハム・エーカーを想起してニヤリとしてしまうが、そこに類似性を見出すのは強引過ぎるだろう。
第一部より以前、第四次世界大戦は舞台背景(荒廃した地球、既存の国は無くなり世界統一国家の中でエリアという枠組みが出来ている、戦争の副産物としてゼーベック虫が発見されエネルギー問題が解決)を整えるための舞台装置でしかない。
しかし大戦後の「対ノアール組織の設立」かは、所謂「エピソードゼロ」的な立ち位置で物語終盤に登場する。朔守英雄役・古谷徹氏がカーテンコールで「おいしい役どころ」と称した、ジンライザー・プロトタイプ(通称・ゼロ)の研究開発のストーリーである。
「プロトタイプは動力源の半分がメルト(純粋水爆)」というように、「搭乗にリスクが伴う旧型機で出撃する司令官」というシチュエーションは、映画「パシフィック・リム」(2013年)のPPDC司令官・スタッカー・ペントコストを思い起こすには十分である。
(ちなみに、古谷氏は同作品にドイツ人生物学者ニュートン・ガイズラーの吹き替えとして参加している)

「天穹のラビアス」の受け継ぎとは

主人公の世代交代は、鬼門である。
例として適格かは議論の余地があるが、言わずと知れた「ドラゴンボール」(1984年~、鳥山明)で、「セル編」終了後の「魔人ブウ編」前半では、それまでの主人公・孫悟空が亡くなっており、息子の孫悟飯が主人公としてストーリーが展開したにも関わらず、間もなく悟空が主人公に返り咲いている。
同じくジャンプ漫画である「デスノート」(2003年~、原作:大場つぐみ、作画:小畑健)では、主人公は「キラ」として暗躍する「夜神月」であることは一貫しているものの、第一部の主要キャラである「L」が亡くなり、第二部ではその後継者候補である「メロ」と「ニア」を据えた三つ巴の様相を見せていたが、第一部と比較して第二部の尻すぼみを感じた読者も多かったであろう。
前述の通り、「天穹のラビアス」は二部構成となっており、普通の作品であれば優等生のエースパイロット「射弦八雲」から候補生である「日野未来」、「住良木星螺」への引継ぎイベント(何なら二人を庇って八雲が戦死する展開)があって然るべきである。
「八雲」から「未来」、「星螺」への主人公交代だったとしたら、「八雲」が偉大過ぎて「未来」、「星螺」の影が薄くなるか、それを避けようとして「星螺」がスーパー主人公になり過ぎることで「八雲」ファンからはヘイトを買い、「未来」ファンは不遇さゆえに「星螺」にヘイトを貯めることになるだろう。
しかし、本作の主人公はあくまで「駆藤眞人」である。八雲を見送ったトラウマも、まだ若い未来に人類の命運を託さざるを得ない不甲斐なさも、星螺に未来の遺言を伝える役割も、何なら学生時代に瓦礫の下敷きになって助けられなかった少年のトラウマも、全て眞人が引き受けることになる。
「天穹のラビアス」が二部構成でも見易いのは、目線が常に「眞人」に固定されているからに尽きる。
「未来」の出撃前の会話、「恥ずかしいよ!」と絞り出した叫びは、コーヒーじゃんけんで年下に奢られることにではなく、世界の命運を若い両肩に背負わせざるを得ないことへの悔しさであることが伝わる構成になっている*3

「天穹のラビアス」のバディものとしての側面

「天穹のラビアス」はバディものとしても楽しめる。
優等生「射弦八雲」と劣等生「駆藤眞人」、出撃前の「八雲」との約束が、ある意味呪いとなって「眞人」に伸し掛かる。
天才で自分本位な「住良木星螺」と秀才で他人思いな「住良木星螺」、「新機動戦記ガンダムW」(1995年)のヒイロとデュオを思わせる丁々発止のやり取りが続くかと思いきや、妹の命も世界の命運さえも託される展開。
総司令「朔守英雄」と参謀「立花政一郎」、無慈悲な総司令の真の姿を知るのは参謀だけであった。
これらもまた王道といえば王道、ベタといえばベタなキャラ配置ではあるにしろ、リーディングライブ2時間という一発勝負の作品では効果的に機能していたし、作劇に現れない関係性も想像できる内容に仕上がっていたと感じる。
余談だが、「未来」の出撃前の「誰か代わってくれないかな…」に、「ぼくらの」(原作漫画2004年~、アニメ2007年)並みの鬱展開を感じることになるとは思わなかった。

「天穹のラビアス」は結論、面白かったのか

回答:熱い展開の連続ではあった。
作劇上の面白さとか、ストーリー展開の意外性・緻密さとか、そういうものがあった訳ではない。
つまり同じ脚本でアニメが作られたとしても、手放しで絶賛するような作品にはならなかったと思う。
これはリーディングライブという舞台だからこそ楽しめた作品だし、次から次に重ねてくる熱いシチュエーションに手に汗握り、涙腺が緩み、感動を覚えることができるのだと思う。
最終決戦にかけての怒涛の展開は特筆すべきものがあるし、アーカイブで観て絶対に損はない、そんな作品。

*1:「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」(2021年)での碇ゲンドウの台詞「ネルフ人類補完計画は、後者を選んだゼーレのアダムスを利用した神への儚いレジスタンスだが果たすだけの価値のあるものだ」より

*2:機動戦士ガンダム」(1979年)の登場人物、ミライ・ヤシマセイラ・マスから名前を引用している…のかは不明

*3:本作における「大人のキスよ。帰ってきたら続きをしましょう。」(「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Airまごころを、君に」(1997年))である。

Kiramune Presents READING LIVE「天穹のラビアス」劇中用語解説

旧立川地区

リーディングライブ東京会場がある東京都立川市をイメージした、物語の舞台。

旧立川製作所

旧立川地区と、実在の「日立製作所」(旧の右側の"日"および立川の"立")のオマージュから命名されたと推測される。

N.A.O.(Noire Annihilation Organization)

ノワール殲滅組織。

ジンライザー(GINLISER)

対ノアール用人型戦闘兵器ヒューマノイド・アーマーの日本開発機。
劇中世界における人型機発展の理由付けは、人道的観点からの完全自律型兵器の戦場投入の禁止により有人機の開発が進んだことと、大戦後のノアール対策への実用化とされている。
(「機動戦士ガンダム」(1979年)の「ミノフスキー粒子による精密誘導兵器の無効化により、有視界戦闘に適したMSが発展した」に端を発し、「ロボットアニメ劇中における人型搭乗ロボットの有用性の理由付け」はロボット作品の命題ともいえる)
ヒューマノイド・アーマーは共通規格が存在するものの、日本製のジンライザーのみ、独自技術により高速化・高軌道化がされている設定が用いられている。
(「ワンオフ機が量産型よりも優れる理由付け」もまた、ロボット作品の命題である)
射弦八雲が搭乗するジンライザーの他、日野未来が搭乗する練習機、住良木星螺が搭乗するラビアス、朔守英雄が搭乗するプロトタイプ(通称・ゼロ)など、バリエーション機が存在する。
なお、今回のリーディングライブの演目が公開された際、公式サイトに「天穹のジンライザー」という記載があり(のちに「天穹のラビアス」に修正)、仮題が「天穹のジンライザー」であったことが想像される。

ゼーベック虫(-ちゅう)(Seebeck insect)

地球の地下数10キロメートル以下の深部において、地球全体を覆うように繁殖している嫌気性微生物。
体長数マイクロメートル。地熱から「ゼーベック効果」により電気を発生させ、体内に電気エネルギーを蓄えている。
劇中では地球を覆うゼーベック虫はネットワークを形成しており、情報連携がなされていると思われる描写がある。
著名なロボット作品でも、水島精二スーパーバイザーが監督を務めた「劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-」(2010年)の外敵「ELS(Extraterrestrial Livingmetal Shapeshifter、地球外変異性金属体)」や、「マクロスF(フロンティア)」の敵生物「バジュラ」などで、個体ではなく全体として自我を共有する敵が登場する。

ゼーベック効果(Seebeck effect)

ゼーベック虫の特色である「ゼーベック効果」は劇中設定ではなく実際の化学現象で、物質の両端で温度差が発生すると比例して電圧が発生する現象。

ゼーベック・セル(Seebeck cell)

ゼーベック虫を容器に封入し、体内に蓄えた電気エネルギーを利用したバッテリーとして運用したもの。「セル」は実際にも電池の構成単位として用いられる用語。
第四次世界大戦で多用されたメルトによって地殻が大きく変容するほどの被害があったが、皮肉にもメルトの破壊力がゼーベック虫の発見に寄与し、クリーンエネルギーの獲得によるエネルギー革命に繋がっている。
「原理を理解しないままエネルギーの恩恵を受ける報い」は、現実の原発問題への風刺が込められていると想像される。
ロボット作品では「ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日」(1992~1998年の長期OVAシリーズ)に「完全無公害・完全リサイクル可能な夢のエネルギー源」として「シズマドライブ(および、シズマ管)」が登場しており、本設定に大きく影響していると推測される。

ノワールNoir

フランス語で「黒」。
劇中では、通常、ネットワークを形成し自我を共有しているゼーベック虫のうち、群体を離れ独立した生命体のように独立して移動する個体。
ゼーベック虫に触れた人間の脳内シナプス(電気信号)が、ゼーベック虫のネットワークに転写されることで発生する。
肉眼では視認できるが、カメラ等を通して見ることは出来ず、熱源であれば感知できる。
消滅の際は体内の電気エネルギーを熱エネルギーに変化させ(スピンペルチェ効果)、バラバラに分解されるため、死体が残らない。
「見えない敵」は小説「エンダーのゲーム」(オースン・スコット・カードSF小説、1977年短編発表、1985年長編化・出版)に着想を得、映画「プレデター」(1987年、監督:ジョン・マクティアナン、出演:アーノルド・シュワルツェネッガー)をイメージしている。

第四次世界大戦(World War IV)

劇中で「大戦」と称される戦争。この争いの中で超大規模破壊兵器「メルト」が多用されたことにより、大きく抉られた地形から新種の嫌気性微生物「ゼーベック虫」が発見されることとなる。
現実から地続きの未来であることを想起させる。
機動戦士ガンダム00」(2007年)の劇中設定において、ガンダムシリーズ初の「西暦」を用いたのと同様の効果を狙ったものと推測される。

メルト(melt)

溶ける、溶かす、解凍する。原子炉の重大事故であるメルトダウン炉心溶融)を想起させるための命名と推測される。
劇中では第四次世界大戦で使用された超大規模破壊兵器(原爆を利用せず純粋水爆起爆剤とした兵器)を指す。

ガイア(Gaia)

ギリシャ神話に登場する大地の女神。実在の科学者ジェームズ・ラブロックが提唱した仮説に、小説家ウィリアム・ジェラルド・ゴールディングが「ガイア仮説」と名付けたことに由来する、同理論における地球の呼称。
劇中では「ガイア仮説」を元に、地球を覆うゼーベック虫の群れを脳内神経ネットワークに準え、地球そのものを自意識を持つ知的生命体として「ガイア」と呼称している。

ガイア仮説(Gaia hypothesis)

劇中設定ではなく、実在のイギリスの科学者(生物物理学、医学)・ジェームズ・ラブロック(1919-2022)が1960年代に提唱した理論。
地球と生物が相互に影響しあうことで、地球が自身の生存に適した環境を維持するための自己制御システムを作り上げているとする仮説。
フィクションの世界でも「人間は地球という一つの生命体における異物(もしくは癌)」といった表現がされることが多々ある。
ロボット作品からは離れるが、格闘ゲームTHE KING OF FIGHTERS」シリーズ(1994年~)の「オロチ編」のストーリーでは、オロチと呼ばれる地球意思が、人類が自然の摂理に反することで発生する平衡感覚を取り戻すため、人類の淘汰を目的として復活する。

エリアA、R、I、C、J(Area A/R/I/C/J)

それぞれアメリカ、ロシア、インド、中国、日本をイメージしていると推測される。
なお、劇中では第四次世界大戦でのメルトの乱用により大陸ごと消滅した国があるとされており、ヨーロッパ大陸がそれに当たる思われる。
創作物において実在の大国をイメージした国・共同体は「アメリカ」、「ロシア」、「中国」、「EU」が代表的だが、「インド」が登場しているところに時代性を感じる。
(参考として、2023年現在の人口ランキングは、1位インド、2位中国、3位アメリカ)
機動戦士ガンダム00」(2007年)でも、世界はアメリカをイメージした「ユニオン」、EU欧州連合)をイメージした「AEU」、ロシア・中国など旧共産圏をイメージした「人類革新連盟」の三大国家群による冷戦状態を描いている。
またサンライズ制作のロボットアニメ「コードギアス 反逆のルルーシュ」では、超大国「神聖ブリリタニア帝国」の植民地となった日本「エリア11」を舞台とする。

ラビアータ・システム(Labiata system)

機械の制御系と操縦者の神経をダイレクト接続するシステム。
クラゲの一種である「オーレリア・ラビアータ(Aurelia labiata)」、および蘭の一種である「カトレヤ・ラビアタ(Cattleya labiata)」からの命名と推測される。
実際の脳の神経細胞ニューロン)の研究にクラゲを用いていることが由来と思われる。

ビアス(Labias)

対ノアール用人型戦闘兵器ヒューマノイド・アーマー・ジンライザーの新型機に付けられた機体名。
ラビアータ・システムからの命名


引用元:
READING LIVE「天穹のラビアス」パンフレット
https://official-goods-store.jp/kiramune/v2/product/detail/KRM651

神谷浩史 2nd Full Album「appside」発売記念イベント(東京2回目)

ごあいさつ

リリースイベントについて

■福岡(2023/1/21)、東京1回目に続いて3回目だが、みなさんの注目を一身に浴びて話すことに慣れない
■発売記念イベントなので、「CDを買って、応募して、当選して」集まった方たちなので、ホームだと思ってノープランで喋る

2nd Full Album「appside」について

■「ハレヨン*1」から、自分からCDのコンセプトを提案するようになった
■そこから「TP*2」までの10年を歌の活動として考えていたので、それ以降の構想が全く無かった
■自分でコンセプトを考え続けて偏りが出てくるのは良くないので、自分からはあまり意見せず・拒まず、不得意な曲も含めて提案してもらうようにした
■自分の歌いやすい曲を選んできたことで、「アゲアゲの曲しかない」、「ミディアムバラードが無い」となった結果、ソロライブをやるとシンドイ
■レコーディングで歌った曲は、ステージ上でも歌えるような心づもりでCD制作を進めた
■以前に、「バージョンアップごとに楽曲の制作過程を公開していくスマホアプリ*3」をディレクターから提案されていて、その名残で「appside」のコンセプトがアプリになった
■「アプリ(スマートフォン)」に頼り切りになるのは嫌なので、「アプリ」のコンセプトはピンと来ていなかった
■「スマートフォン=手のひらに広がる無限の可能性」とか……ちゃちい、貧乏臭い*4、「スマホ万能論」にはしたくなかった

楽曲解説

Drive

神谷浩史 Drive 歌詞 - 歌ネット
■作詞・作曲・編曲:渡辺拓也
■モチーフ:地図アプリ
■「FFT*5」で、アルバム制作の告知として先行公開した楽曲
■住所入れると目的地までナビゲートしてくれる……怖くね?
■交通手段の選択肢にある「手を挙げているアイコン」が「ヒッチハイク」だと思ったら「タクシー」だった
■ナビに頼るようになってから道を覚えられなくなった、タクシーの運転手さんに教えてもらった近道の方が印象に残る
■便利過ぎると怖いよね?……そういう曲です

モアライブラリ

神谷浩史 モアライブラリ 歌詞 - 歌ネット
■作詞・作曲:渡辺 翔
■編曲:倉内達矢
■モチーフ:カメラアプリ
■みなさんは写真好きですか?僕はそうでもないです
スマホで撮った写真を本体ではなくてクラウドに保存される設定になっていると、「いろんな人が世の中の空間を切り取った写真がクラウドに蓄積されて、もう一つの世界が出来ているかもしれない」……怖くね?
■もう一つの世界とか怖いよね?……そういう曲です

パラレルピンチョス

神谷浩史 パラレルピンチョス 歌詞 - 歌ネット
■作詞:只野菜摘
■作曲:ヤナガワタカオ
■編曲:大久保薫
■モチーフ:動画アプリ
■曲調としては、曲数の多いアルバムならではのネタ曲
■……にも関わらず、只野さん*6に作詞をお願いすると素晴らしい曲になった、サビの最後のフレーズに「ピンチョス*7」という単語のセレクトが絶妙
■只野さんとは「さよなら絶望先生*8」のアフレコ現場で初めてお話して、「何やっている方なんだろう」と思ってたら「『絶望少女達*9』の歌詞を書いています」と言われた
■「さよなら絶望先生」のアフレコがお休みの時、知らずに収録現場で待っていた只野さんから「今日はアフレコお休みですか?」とメールが来たことがある
■キャストとコミュニケーションを取りながら作詞をされる珍しいタイプの方だったが、現在も変わらず偶に食事などでお会いしてヒアリングした内容を歌詞に反映してくださっている
■今となっては神谷浩史の音楽活動において欠かせない作詞家さん
■モチーフは動画サイト……FANZA*10です

しんこきゅう

神谷浩史 しんこきゅう 歌詞 - 歌ネット
■作詞:PA-NON
■作曲・編曲:佐々木裕
■モチーフ:ヘルスケアアプリ
■旧知であるPA-NON*11さんの作詞なので、個人的なことを拾ってもらっていると思う
■余談:さっき(東京1回目)歌ってるときに「大音量で聞き続けると耳の健康を害します」とApple Watchから警告が来ました……そういう曲です

Day by Day

神谷浩史 Day by Day 歌詞 - 歌ネット
■作詞:喜介
■作曲・編曲:黒須克彦
■モチーフ:メモアプリ
■ディレクターの「『ラララ』で終わる曲」というリクエストから生まれたが、「メモアプリ」のテーマとギャップがあったので、少しずつギャップを埋めていった
■メモアプリは、リーディングライブ*12のプロットやキャスティング案を書くのに使っている
■過去に自分がメモアプリに残した文章を後で見返しても、解析できないこともあるし、そこからアイディアが膨らむこともある
■KiraFes*13が声出しOK*14になったら、「ラララ」をみんなで歌いたい……そういう曲です

HEART BEAT*15

神谷浩史 HEART BEAT 歌詞 - 歌ネット
■作詞:喜介、渡辺拓也
■作曲・編曲:渡辺拓也
■モチーフ:iPhoneを探す*16
渡辺拓也さん*17の曲がカッコよくて即決した
■テンポが速い、音域が広い、で歌うのが難しくて苦労した
■余談:KAmiYU3*18のとき、初日が終わってホテルに戻ったらスマホが無かった。パンツ一丁の自由*19からマネージャーに連絡してもらって楽屋を探してもらったが見つからず、「『iPhoneを探す』やってみ?」と言われてやったら、自分の部屋から着信音が聞こえた(疲れ過ぎて無意識にベッドに放り投げたスマホが隙間に落ちてしまったらしい)
■「iPhoneを探す」って便利ですよ……そういう曲です

Re-answer

神谷浩史 Re-answer 歌詞 - 歌ネット
■作詞:辻 詩音
■作曲:田中龍志、村山シベリウス達彦
■編曲:渡辺拓也
■モチーフ:リマインダーアプリ
■自分が企画を立ててアルバムを作るとしたら選ばない、難しい曲
■仮タイトルは「Reminder」だったが、同名の音楽サイト*20があるので重複を避けるために「Re-answer」に改題した

ソーシャルネット・ワーカホリック

神谷浩史 ソーシャルネット・ワーカホリック 歌詞 - 歌ネット
■作詞・作曲・編曲:ナノウ
■モチーフ:SNSアプリ
みんな好きね、こういうの*21
■ボカロPであるナノウさん*22にお願いしたので、人間が歌うことを考慮してないんだと思います、息継ぎが全くできない
■歌唱して欲しい曲の人気投票、福岡第1位「ソーシャルネット・ワーカホリック」、東京1回目第1位「ソーシャルネット・ワーカホリック」、神谷さんのファン投票の結果で若者向けの曲が1位になるということは、神谷さんのファンは若い方が多いんじゃないかと!……会場の皆さん苦笑いですけど、自信持ってください?
■まふまふくん*23にお願いしたときも皆さんに刺さっていたけど、売れに売れて今では曲が発注出来ないくらいですから、ナノウさんもそういう感じになるんじゃないかと!

アサカゼ

神谷浩史 アサカゼ 歌詞 - 歌ネット
■作詞・作曲:指田フミヤ
■編曲:増田武史
■モチーフ:乗換案内アプリ
■暫定Sunny Box Band*24に曲を作ってもらったらどうか、という提案から生まれた
■指田くん*25が電車ヲタクなので、「乗換案内アプリ」で発注したのに出来上がったのは「線路は続くよどこまでも」
■指田くんが歌ったもので完成しているので、自分が歌うときには試行錯誤して「神谷浩史版『アサカゼ』」になっている
■タイトルは実在した寝台特急「あさかぜ」*26から
電車について熱く語られたが、興味がないので「はぁ」としか言えなかった

希望の渦

神谷浩史 希望の渦 歌詞 - 歌ネット
■作詞:山村隆太flumpool
■作曲:阪井一生flumpool
■編曲:渡辺拓也
■モチーフ:ボイスメモ
■メンバー個別ではなく、「flumpool*27」として楽曲提供したのは初めてということを知らなかった、知っていたらもっとアピールするべきだったのに
■山村さんとは出演したアニメの主題歌を担当してくださった縁*28と、ボイストレーナーが一緒で、食事をしたことがあった
■小倉さんに会ったときに「ガンダム*29観てました」と言われた
■ディレクターは知り合いだということは知らずに提案してきた
ボイストレーニングにボイスメモを使って、積み重ねのイメージが共有できていた
■版数が上がるたびに、歌詞が少しずつ変わってくるといういやがらせ(笑)があった

MV、メイキング

■楽曲解説で時間を使い果たしてしまったので、MVとメイキングの話はしません!
河谷監督は俺を撮ることに飽きている
■自分の「プロフェッショナル*30」のDVDをかけて橋本さとしさんのナレーションを真似して、自宅で録音した

投票結果発表

■(投票結果見る前に)「ソーシャルネット・ワーカホリック」でいいですか?
リハでは全曲歌っています
■第3位「希望の渦」
■第2位「Drive」
■3位と2位は1票差です
■第1位は……「ソーシャルネット・ワーカホリック
■……(オフマイクで)これ(ソーシャルネット・ワーカホリック)だけリハすればいいんじゃね?
■2023年1月29日「Kiramune公式Instagram」の投稿より引用

これまでは、
福岡会場「ソーシャルネット・ワーカホリック
東京会場(昼)「ソーシャルネット・ワーカホリック
東京会場(夜)「ソーシャルネット・ワーカホリック
大阪会場「ソーシャルネット・ワーカホリック
愛知会場「ソーシャルネット・ワーカホリック
を歌唱しました!!!

告知

Kiramune Presents READING LIVE「5コントローラーズ+1」2023年度版、初演*31(2014年)から時間も経って、テーマである「ゲーム」の様相も変わってきたので、単なる再演ではなくリニューアルになるかも

写真撮影

www.instagram.com
■最後に皆さんと写真を撮って、Kiramune公式Instagramにアップします
■……ネットにアップされちゃいます……怖いよね?……そういう曲です

おみやげ

■チェキ風カード、僕がもらっても全く嬉しくないですが

*1:神谷浩史3rdミニアルバム。2014年08月27日発売。「ハレノヒ」(1stミニアルバム)、「ハレゾラ」(1stフルアルバム)、「ハレイロ」(2ndミニアルバム)に続く4作目であることから名付けられた。

*2:神谷浩史9thミニアルバム。2020年4月22日発売。仮タイトルの「ハレ10」から「晴天(セイテン→ハレテン)」にひとひねり加えるため、「天気」を「転機」と読み替えたところから「ターニングポイント(TP)」と命名された。ジャケットに「HARE-TEN」が併記されている。また「晴天を逆にすると天晴(あっぱれ)になる」の発想からリード曲「あっぱれLIFE」を始めとして明るい曲調で纏められている。

*3:アプリ内の新曲アイコンに「制作決定通知」、「オケ」、「仮歌」、「ファーストテイク」などの制作過程が順次更新され、最終的に「完成楽曲」が配信される、といったコンセプトのアプリを検討していたとのこと。

*4:「道具は道具、あくまで使う人次第」とも。

*5:「Fan×Fun Time2022」、2022年5月14日-15日(東京)、5月28日-29日(愛知)開催。

*6:作詞家の只野菜摘。「シリカゲル」、「Dolce misto」、「エンジェルマン」、「ハレのち始まりの日」、「贅沢な時間」などの作詞を担当。

*7:スペイン語の「串」を意味する「ピンチョ(pincho)」の複数形「ピンチョス(pinchos)」が語源。串(楊枝)に刺した一口サイズの軽食のこと。

*8:久米田康治 原作のアニメ。2007年7月7日第一期放送開始を皮切りに全三期+OADが制作された。神谷さんは主人公・糸色望の声を担当。

*9:アニメ「さよなら絶望先生」に登場するヒロインで構成されるユニット(楽曲によってメンバーが多少異なる)。同アニメのエンディング・挿入歌の歌唱を担当。只野氏は「絶世美人」(第一期ED)、「オマモリ」(第二期ED3)、「絶望レストラン」(第三期ED1)、「暗闇心中相思相愛」(第三期ED2、糸色望(CV.神谷浩史)歌唱)などの作詞を担当。

*10:株式会社デジタルコマースが運営するECサイト。2018年に同社アダルト事業「DMM.R18」を「FANZA」に名称変更した。

*11:作詞家。「まあるい気持ち」の作詞を担当。

*12:2012年から始まった「Kiramune Presents READING LIVE」のこと。神谷さんは実質的な座長として参加しており、2018年以降は「アソシエイトプロデューサー」の肩書を持つ。また「Be-Leave」(2017年)では「シナリオ協力」、「作るカノジョと僕らのテ」(2020年)では「原案」としてクレジットされている。

*13:「Kiramune Music Festival 2023」、2023年5月13日-14日、横浜アリーナで開催予定。

*14:2023年1月27日現在、政府は5月8日より、新型コロナウイルス感染症法上の分類を現状の2類から5類(季節性インフルエンザと同分類)に引き下げる検討を進めている。これによりコンサート鑑賞において「マスク着用であれば観客収容率100%でも声出し可能」となる見込み。

*15:心臓の鼓動、心拍を示す英単語だが、転じてIT用語では、ネットワーク上の機器が対向機器に対し、自身が正常動作していることを知らせるデータを一定間隔で送信することを指す。

*16:バイスの現在地または最後に検出された場所の位置情報を確認することができる仕組み。Androidにも「デバイスを探す」という類似機能がある。

*17:作曲家・編曲家・作詞家。「1番星」の作詞・作曲、「ハレのち始まりの日」、「GLORIOUS TIME」の作曲を担当。

*18:「KAmiYU in Wonderland 3」、2013年12月15日、東京国際フォーラムで開催。出演:KAmiYU(神谷浩史入野自由)。神谷さんは「KAmiYU3」初日のエピソードと言っていたが、3は1日(昼夜公演)のため、前日リハの後か、KAmiYU4(2018年9月1日-2日開催)と間違えていると推測される。

*19:声優の入野自由、神谷さんとユニット「KAmiYU」を組む。

*20:株式会社リマインダーが運営する音楽サイト。Re:minder - リマインダー | ココロ躍る大人の音楽メディア

*21:所謂「ボカロ曲」と言われる楽曲。

*22:ミュージシャンのコヤマヒデカズ。ボカロPとしてはナノウ名義で活動している。

*23:歌い手・作詞家・作曲家。「BOARD GAME NAKED」の作曲を担当。

*24:Gt.増田武史 / Dr.小笠原拓海 / Ba.AZU / Key.指田フミヤ。

*25:シンガーソングライターの指田フミヤ。「スケッチブックドリーム」の作曲を担当。

*26:東京-下関・博多間を運行していた寝台特別急行列車。1956年運行開始、2005年廃止。名称は「朝に吹く風」から。

*27:4人組ロックバンド、Vo.山村隆太 / Gt.阪井一生 / Ba.尼川元気 / Dr.小倉誠司。

*28:キャプテン・アース」(2014年)のOP「ビリーバーズ・ハイ」、「かくしごと」(2020年)のOP「ちいさな日々」。

*29:機動戦士ガンダム00」(2007年)。ガンダムマイスター(搭乗者)の1人である「ティエリア・アーデ」役で出演。

*30:答えを求めて、声を探す ~声優・神谷浩史~ (2019年1月7日放送)| これまでの放送 | NHK プロフェッショナル 仕事の流儀

*31:リーディングライブ『5コントローラーズ+1』レポ | アニメイトタイムズ

「魔法の呪文は ガン・マビ・レーテ」オマージュ元

「ダァクシャドウのこもりうた」

デビルマン」(東映動画、1972年放送)のエンディングテーマ「今日もどこかでデビルマン」。
 タイトルの「こもりうた」は、「あしたのジョー」(虫プロ、1970年放送)の前期エンディングテーマ「ジョーの子守唄」からか。

日付テロップ

本演目脚本家・會川昇氏が原作・脚本を手掛けた「コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜」(ボンズ、2015年放送)でも用いられた演出。
(参考:「コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜」第1話1:00~https://youtu.be/72I18BAT_xw?t=60
同作は、作品内の時間経過と放送順が意図的に入れ替えられており、時代背景を示す記号として表されている。

時代のレイヤー構造

本演目脚本家・會川昇氏が脚本を手掛けた「UN-GO(アンゴ)」(ボンズ、2011年放送)を例に取る。
UN-GO」は、文豪・坂口安吾の小説「明治開化 安吾捕物帖」を原案としている。
「明治開化 安吾捕物帖」は明治初期を舞台としているが、執筆された昭和20~30年代の世相を反映した内容となっている。
また「UN-GO」も、時代設定を近未来(放送年の2011年から10~20年ほど未来)に移した上で、現実社会(2011年当時)の時事とリンクさせるといった手法を取っている。
よって、原案を含む作品内において「明治初期」、「戦後昭和」、「平成」、「令和」の4つの時代を多重構造で構築していることになる(制作当時は「令和」はあくまで「近未来」でしかないが)。

「秘密の魔法じゅもん」

東映魔女っ子シリーズ第5作「魔法使いチャッピー」(東映動画、1972年放送)。
本演目の舞台と同じ1972年4月~12月に放送されている。

西東動画

東映動画(現・東映アニメーション)。
本演目全体のオマージュ元(東映動画、および同社作品の「魔法使いチャッピー」、「デビルマン」)。
本演目の舞台と同じ1972年は4月から「魔法使いチャッピー」、7月から「デビルマン」が放送された。

「西東動画は今、ロックアウト中なんだ」

東映動画が従業員の約半数(170名)に人員削減の合理化に行ったことに対し、労働組合が1972年に18名の解雇撤回に向けて起こした裁判闘争を皮切りに1972年8月3日よりロックアウトが始まり、制作中の「デビルマン」等は内製から外注(下請け)制作に回される。
ロックアウトは同年12月まで続き、それまでに100名あまりの退職者を出す。
(参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「事例報告『東映動画労組の歴史と労働者としての権利』」 https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20201215/houkoku/04_jirei2.html
(参考:WEBアニメスタイル「アニメーション思い出がたり[五味洋子]『その42 労働争議の中で』」 http://www.style.fm/as/05_column/gomi/gomi42.shtml

「ダァクシャドウ」 

デビルマン」(東映動画、1972年放送)。
永井豪の「魔王ダンテ」(「週刊ぼくらのマガジン」1971年連載)を発展させ、基本設定を同一とした漫画とアニメの2つの企画が進められた。
(「コミックからのアニメ化」や「アニメのコミカライズ」という関係ではなく、同時進行の企画のため漫画版≠原作)
アニメ版は低年齢層向けの勧善懲悪なヒーローものの体裁だが、「ダァクシャドウ」は1972年から「週刊少年マガジン』に掲載された漫画版のストーリーをモチーフとしている。

「仮面バイカー」

特撮テレビドラマ「仮面ライダー」(東映、1971年放送)。
敵組織である「ショッカー」の戦闘員が発する掛け声が「イーッ!」である。

【用語集】

学生運動

学生による、「社会状況の改善」、「社会政策の推進・阻止」などの希望を実現するために同志を募り団結して、世論や政府にアピールする行動。

安保闘争

日米安全保障条約(安保条約)に反対する国会議員、労働者、学生らが参加した反政府運動およびそれに伴う大規模デモ運動。
60年安保闘争では安保条約は国会での強行採決されたが、混乱の責任を取る形で時の岸内閣は総辞職を余儀なくされた。
対し10年間の期限満了に伴う自動延長に反対する70年安保闘争では、参加者の内部分裂(内ゲバ)が激化し、大衆の支持を得られず鎮静化していく。

80年安保

作家・橋本治、コラムニスト・中森明夫らが、1980年代初頭の若者文化(サブカルチャー)を1960年代、1970年代の反体制運動、安保闘争に準えて名付けたもの。

内ゲバ

「内部ゲバルト」の略。ドイツ語のゲバルト(Gewalt:威力・暴力)から、同一陣営内での暴力を使用した抗争を指す。

奮龍

第二次世界大戦中に大日本帝国海軍が開発していた、誘導装置を備えた地対空ミサイル。
誘導装置の予備実験として「特型噴進弾二型」(奮龍二型)を作成後、実用化に向けて「特型噴進弾四型」(奮龍四型)の試作を進めていたが、1945年8月15日の終戦には間に合わず、開発は中止となり資料は焼却処分された。
「日本のテレビの父」と呼ばれる高柳健次郎が誘導装置の研究開発に携わっており、超短波(VHF)技術が後のテレビ実用化へ繋がっている。

ブラウン管による電送・受像

高柳健次郎(たかやなぎ けんじろう、1899年1月20日 - 1990年7月23日)が、1926年12月25日に世界で初めてブラウン管による電送・受像に成功した。
送受像には、いろは順で最初の「イ」の文字を選んだとされる。

しらけ世代

広義に1950年代から1960年代前半生まれの人を指し、1960年代の学生運動が沈静化した後の政治的に無関心な世代。
何事にも熱くなり切れず、興が醒めた、傍観者のような振る舞いをする様を「しらけ」としている。
また同年代で「真面目な行いが格好悪い」という感性を持つ若者を指して「ノンポリ世代」と呼ぶこともある。

さとり世代

一般的に1987年から2004年生まれの人を指し「欲がない」、「夢や希望を持たない」、「現在の安定を求める」が特徴と言われている世代。

 

神谷浩史・小野大輔のDear Girl〜Stories〜 「Festival Carnival 15年祭」客入れBGM

母に捧げるバラード海援隊(1973)

フォークグループ・海援隊のセカンドアルバム「望郷篇」に収録されていた楽曲が好評で、同年に再録したものをシングルカットしている。

ボーカル武田鉄矢が、母・武田イクに宛てたメッセージソングであり、博多弁の台詞で構成されているのが特徴。歌詞部分はおおよそ固定されているが、台詞違いのバリエーションが存在する。

オリコンチャート週間10位、第16回日本レコード大賞企画賞。

NHK「第25回紅白歌合戦」(1974年)でも歌唱されている。

「Back to the Future - Main Theme」Alan Silvestri(1985)

ロバート・ゼメキス監督のSF映画バック・トゥ・ザ・フューチャー」のメインテーマ(日本公開時の宣伝では、より知名度のあるスティーヴン・スピルバーグの作品であることが強調されていたが、スピルバーグは制作総指揮である)。

指揮者・作曲家であるアラン・シルヴェストリ(「プレデター」シリーズ、「アベンジャーズ」シリーズなどの劇盤も担当)によって作曲された。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンUSJ)のCMや、ABC「M-1グランプリ」などでも使用されている。

「壊れかけのRadio」徳永英明(1990)

徳永英明本人も出演したTBSドラマ「都会の森」主題歌。

オリコンチャート週間5位、1990年度年間23位。

2003年に「君は君でいたいのに」と両A面で再リリース。

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「桜坂」福山雅治(2000)

TBS「ウンナンのホントコ!」内のコーナー「未来日記V」テーマソング。

曲名のモデルは東京都大田区田園調布にある桜の名所。

福山本人がデビュー前に近所に住んでおり、実体験を元にした楽曲とされている。

オリコンチャート週間3週連続1位、2000年度年間2位。

第15回日本ゴールドディスク大賞ソング・オブ・ザ・イヤー。

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「Progress」kōkua(2006)

NHKプロフェッショナル 仕事の流儀」主題歌。

kōkuaは同番組の主題歌作成のために結成されたロックバンドである。

ボーカルのスガシカオNHK「第57回紅白歌合戦」(2006年)に初出場した際、ソロ名義で歌唱している。

オリコンチャート週間22位。

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「うまぴょい伝説」(2016)

Cygamesのスマートフォン向けアプリゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」のテーマソング。

所謂「電波ソング」に分類される楽曲で、作詞・作曲を手掛けた本田晃弘は電波ソングというジャンルへの見識が無く、制作に苦労したと語っている。

アプリリリースは当初の2018年から延期し未定期間を経て、2021年となったが、メディアミックスコンテンツの1つとしてキャラクターCDシリーズ「~STARTING GATE」がリリースされており、そちらに収録されている。

歌唱者は固定されていない共通テーマソングで、CDの参加ウマ娘の歌唱したVerそれぞれのCDに収録されている。

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「炎」LiSA(2020)

劇場版「鬼滅の刃 無限列車編」主題歌。

TV版OP「紅蓮華」に続きLiSAが楽曲を担当し、社会現象化とも言える同映画作品の記録的ヒットとの相乗効果で大ヒットとなった。

Billboard JAPAN週間4週連続1位、2020年度年間3位、2021年度上半期1位。

オリコンチャート週間3週連続1位、2020年度年間デジタルシングル2位。

「第62回日本レコード大賞」大賞。

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「うっせぇわ」Ado(2020)

Adoのメジャー1作目となる配信限定シングルとしてリリース。

ボカロPであるsyudouが作詞・作曲を手掛けている。

刺激的な歌詞が話題となり、YouTube再生回数1億回以上、ニコニコ動画再生回数500万回以上を記録。デジタルセールスはDL累計30万本以上、ストリーミング再生2億回以上。

Billboard JAPAN週間1位。オリコン週間デジタルシングル1位。

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