企画厨房 略してキカチュウ!

最近チェックしているコンテンツが、「企画厨房」(毎週水曜日20:00〜)というUST番組。

3人のアニラジ構成作家・ディレクターが、新企画、新番組を提案していくTwitter連動型の番組とのこと。
自分は「さよなら絶望放送」が好きなので、その構成・ディレクションの方が参加されているということで視聴開始。
プレ放送2回+本放送4回でやっと番組の方向性が見えてきたように思うのでメモとして。


第2回までを見た感想は、「これ(番組内の様々な企画)で儲けよう」というのはポーズで、既に番組側である程度決めている企画に、視聴者の意見を形だけ取り入れて出来たグッズを、主にこの番組の視聴者に買ってもらう「地産地消」または「自作自演」な「『視聴者参加型番組・企画厨房』という企画」だろうといった程度だった。
キャラクター産業は不況知らず、などというのは莫大な予算をかけた一部の作品だけで、それ以外は何が当たるかわからない博打ばかり。その上、同人のクオリティーも格段に上がって、今やメジャー・インディーの垣根なんて無い状況で、駄洒落から端を発した素人アイディアがモノになるとは考え難い。妄想の擬人化キャラなんてpixivにだって溢れてるわけで。

しかし、ゲスト回の第3回を挟んで、次の第4回を見たときに、少し見方が変わった。
第2回にお目付け役であるフロンティアワークス・寺田プロデューサに提出した番組企画に対し、第4回で企画の採算性を疑問視されたことから、「タイアップ商品とスポンサー獲得」に重点を置いた企画募集が始まった。さて、このやり取りにパーソナリティは「『番組やりたい』と言うのは簡単だけど、やっぱりお金の問題も考えないと」という至極今更な結論を導く。勿論、第一線で活躍する構成作家・ディレクターである彼らが採算性を度外視して立案したとも考え難く、おそらくは(プロレスで言うところの)ブックなんだろうな、という印象。
要は視聴者=消費者に、企画造りを1から公開するのが目的なのではないか、と。企画の切っ掛け自体は、飲み屋の馬鹿話からスタートするものも多々あるだろうが、それを商業ベースに乗せるのはまた別の話だ、というのを一度視聴者に示しておきたかったのではないだろうか。

それとは逆に、PC周辺機器の擬人化の企画では、一般的な企画の進め方とは違うことを明言しつつ、「単なる企画会議にはしたくない」「せっかくTwitterで募集しているのだから、それを生かしたい」旨の意向が示された。
こちらも、ある意味逆説的に「普通はこうではない」というところを見せることで、商業ベースへ乗せることの難しさを見せたのではないか。

いずれにせよ、番組を見ていない消費者にも売れるヒット企画が生まれる可能性はほぼ無く、「地産地消」の分母(=視聴者)を増やすくらいしか採算を取る方法は無いかも知れない。
ただ、このコンテンツが溢れる中で、自分の好きな作品にお金を払う、消費するという大切さを知るには、いい機会になっていると思う。お金が生まれなければ次に繋がらないというのが如実に分るはずだ(この番組がそこまで見据えて作成されているかといえばそうではないかも知れないが)。